こんにちは、バンくんです。
「竹の稈(かん)=茎が緑色なのって、なんで?」
実はこれ、 竹がそこで光合成をしているから なんです。
葉っぱだけじゃなく、 緑色の茎(稈)そのものが光合成をしている — 知っていましたか?
しかも竹は、 光の方向や色まで感知して 自分の成長をコントロールしている、超ハイテクな植物。
別記事で書いた 「竹は風と光を感知して生育バランスを調整している」 という話の、 科学的なメカニズム をこの記事でまとめます。
→ 関連:なぜ竹林を管理した方がいいのか
① 稈で行われる「皮層光合成」|茎が太陽パネル
竹の茎(稈)が緑色なのは、 表面に近い組織に葉緑体(クロロフィル)がある からです。
これによって、稈そのものが 光合成のパネル になっています。
自己発電モード
特に、葉が十分に展開する前の 若い竹 にとって、稈での光合成は 貴重なエネルギー源。
これを 「皮層光合成(ひそうこうごうせい)」 と呼びます。
CO₂のリサイクルシステム
しかも竹のすごいところは、 CO₂を内部でリサイクル していること。
- 内部の呼吸 で発生したCO₂を外に逃がさない
- 稈の中で再び光合成に利用
- 効率的な クローズドループのCO₂サイクル
これが竹の 「成長の早さ」 を支える仕組みのひとつです。
② 光屈性(ひかりくつせい)|「光の方向」を感知して曲がる
竹は、 どちらから光が来ているか を感知して、 成長の方向を自分で微調整 しています。
正の光屈性
密集した竹林の中で生き残るため、 少しでも光の当たる方向へ伸びようとする。
これを 「正の光屈性」 と呼びます。
仕組み|成長ホルモン「オーキシン」の移動
光を感知すると、植物ホルモンの オーキシン がこう動きます:
- 光が当たる側 → オーキシンが減る
- 影側 → オーキシンが集まる
オーキシンが多い影側の細胞が より引き伸ばされる ことで:
結果として、竹は光の方向へ曲がって伸びる
これが、放置竹林で竹が斜めに傾いて生えていたり、隣接する空き地に向かって枝を伸ばしたりする科学的な理由です。
③ 青色光と赤色光の「使い分け」
ここがいちばん面白い話。
竹は単に 明るさを感じている だけではありません。
光の「色(波長)」まで識別している
…というハイテクっぷりです。
青色光受容体(クリプトクロムなど)
青色光のセンサー。
役割:
- 茎の伸長を抑制
- ガッシリとした体格にする「ブレーキ」
- 光が強いと「もう十分高い」と判断
- 木質化を優先 させる
つまり、 「もう伸びなくていいよ、しっかりした体を作ろう」 と切り替える役目。
赤色光受容体(フィトクロム)
赤色光のセンサー。
役割:
- 隣にライバル(他の竹)がいるかを感知
- ライバルが反射してくる光の 波長変化 を読み取る
- 「ここは混みすぎてる、別方向に行こう」など判断
→ 竹の地下茎が 隣の山に侵入していく のは、こういう光学センサーで「あちらに空間がある」と察知している可能性も高いわけです。
まとめ|竹は「歩く太陽パネル&光センサー」
| 仕組み | 機能 |
|---|---|
| 皮層光合成 | 稈で光合成、CO₂リサイクル |
| 光屈性 | 光の方向に曲がる(オーキシン移動) |
| 青色光受容体 | 「もう十分」と判断してガッシリ化 |
| 赤色光受容体 | ライバルの位置を波長で察知 |
つまり竹は:
稈全体が太陽パネルであり、光センサーである
…という、植物としては相当ハイテクな生命体です。
おまけ|古くなった竹が黄色くなる理由
竹林を見ていると、 古い竹が黄色っぽくなっている のを見かけます。
これは、 稈に含まれる葉緑素(クロロフィル)が分解されていく から。
「現役引退」のサイン
- 葉緑素が活発な竹 → 緑色(光合成中・現役)
- 葉緑素が分解された竹 → 黄色(光合成役目を終えた)
光が稈にずっと当たり続けるような場所では、 稈が早めに黄色くなる 傾向があります。
つまり、 「現役の太陽パネル時代が終わったサイン」 。
10〜12年の竹の寿命の中で、 後半に入ると葉緑素を分解して黄色化 していくわけです。
ケイカルとの関係|稈の表面を整える意味
別記事で 「ケイカル(ケイ酸カルシウム)が竹に最高にいい」 という話を書きました。
→ 竹林にケイカル|竹を強くする効果・施用量・肥料との優先順位
ケイ酸が稈の表面に シリカ層(ガラスの鎧) を作る話を書きましたが、これは 光合成にも関係している のがポイント。
稈の表面が綺麗に整うと、光の透過と反射が最適化される
→ 皮層光合成の効率がアップ
竹を強くするだけでなく、 「光をうまく使えるようにする」 という意味でも、ケイカルが効くわけです。
まとめ|竹は「光と対話している植物」
- 稈が緑色なのは、 そこで光合成をしているから(皮層光合成)
- CO₂を内部でリサイクル する効率的なシステム
- オーキシンが影側に移動 して、光の方向に曲がって伸びる
- 青色光は「もう伸びなくていい」スイッチ
- 赤色光は「ライバルの位置」を察知
- 竹は 稈全体が太陽パネル&光センサー の超ハイテク植物
- 古い竹が黄色いのは 葉緑素が分解された「引退サイン」
「竹って、ただ生えてるだけの植物じゃないんだな」
そう思っていただけたら嬉しいです。
竹の生育の仕組みを知っておくと、 管理の判断が一段深くなります。
- 風と光を通す → 竹が「内部整備」モードに入る
- ケイカルで稈表面を整える → 光合成効率アップ
- 密度管理で適切な明るさを維持 → 健康な竹に育つ
…と、 すべてが繋がっている のが面白いところです。
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