こんにちは、バンくんです。
今日は たけのこの瓶詰め を作りました。
pH(ペーハー)調整 を行う方法なので、単純に瓶に詰めて殺菌するだけのやり方に比べて、 少し殺菌力が上がる 方法です。
家庭で長期保存できるたけのこを作りたい方は、参考になるかと思います。
📺 動画はこちらです。あわせてどうぞ。
工程の全体像
今回の流れはこんな感じ。
- アク抜き
- 皮むき
- 水さらし
- pH調整(乳酸発酵)
- 脱気
- 殺菌
各工程を順番に解説していきます。最後のほうに 注意点 もあるので、ぜひ最後まで読んでください。
① アク抜き|たっぷりのお湯で1時間半
皮を だいぶむいた状態 で、たっぷりのお湯に投入。
- 強火で沸騰 させてから 約1時間半 茹でる
- 落としぶたをして全体をしっかり加熱
- 4月末のたけのこはアクが強いので、しっかり煮るのがコツ
アク抜きの目的(科学的な背景)
たけのこのアクの主成分は ホモゲンチジン酸とシュウ酸。
- たけのこを茹でることで、これらの成分を 外に出す
- さらに薄めることが目的
ちなみに ホモゲンチジン酸は、たけのこに含まれる「チロシン」という物質が酵素によって変化してできる ので、 掘り取りした瞬間からどんどん増えていきます。
これが「たけのこは鮮度が命」と言われる理由。
ホモゲンチジン酸は 水に溶けやすい ので、アクが少ない(=採りたての)たけのこなら水だけでも十分にアクが抜けます。
米ぬか・米のとぎ汁を入れる理由
アク抜きで米ぬかや米のとぎ汁を入れる理由は、これらに含まれている でんぷんが吸着剤として働く と考えられているからです。
ちなみに 私は水だけ でやっています。
皮はつけたまま茹でる
皮はつけたままの方が 風味が良い とされているので、なるべく皮を残して茹でた方が美味しいです。
ただし今は4月末で真っ黒のたけのこなので、 大部分の皮は取って います。
1時間半経ったら、そのまま自然冷却
火を止めて、 ぬるくなるまで放置(約3時間)。
たけのこのアクは、お湯が冷める時に抜けると言われているので、このまま放置します。
お湯が結構茶色くなりますが、これがアクが抜けている証拠。
② 皮むき|茹でてからむくと圧倒的にラク
冷めたら水を捨てて、皮をむいていきます。
- 皮をつけた状態で茹でると、めちゃくちゃむきやすい
- 生のままむくと、剥いた皮の繊維が指に残って 爪が痛くなる
- 茹でてから剥くと、すごい取りやすい
これも 「皮をつけたまま茹でる」メリット のひとつ。
③ 水さらし|ちょろちょろの水で3時間
皮をむいたたけのこをレースに(容器に)入れて、 水道の水をちょろちょろ流しながら3時間程度 放置します。
- 本当にちょろちょろっと出すだけ でOK
- 極限まで絞って、節水しながら
これで水さらし完了。
④ pH調整|乳酸発酵で酸性に傾ける
ここからが今回の方法の 核心 です。
水さらしが終わった状態で そのまま放置 します。
- 今の季節(4月)だと 目安は丸1日 くらい
- 室温で乳酸発酵が進んで、 たけのこが酸性に傾いていく
- 4月であったかいので、どんどんpHが下がる
- 下げ過ぎに注意
なぜpH調整が必要なのか
長期保存のために瓶や缶に詰めると、 腐らないために殺菌が必要 です。
ご存知の通り、 細菌や微生物 が食べ物を腐敗させます。
これらを殺菌してやる必要があるんですが、 沸騰させるだけでは殺菌しきれない場合 があります。
ボツリヌス菌とpH 4.6の壁
pHが低い状態の方が殺菌力が高くなります。
食中毒の原因である ボツリヌス菌は、pH 4.6以上で増殖する とされています。
なので、 たけのこをpH 4.5程度まで下げる ことが目的です。
ものすごく簡単に言うと、 pHを下げると殺菌力が上がって、菌の繁殖を抑えられる ということになります。
※認識が間違っていたり誤りがある場合は、コメント欄でご指摘いただけるとありがたいです。
pHを下げる目安
温度にもよりますが、 4月頃で1日程度 と言われています。
下げすぎると酸っぱくなったり、極端にまずくなったりする ので、放置しすぎは注意。
24時間経った状態
24時間経つと、水がやや白く濁ります。
今回は4月末でちょっと寒くて温度が足りない感じだったので、もう少し白く濁ってもいいかなと思いつつ、このまま次の工程へ。
⑤ クエン酸添加|1000倍希釈の安全策
pH調整を確実にするために、 クエン酸 を添加します。
- クエン酸は薬局やキリン堂などで購入可能
- 1000倍希釈 で使用
計算の考え方
- 小さじ1杯 ≈ 2.5g
- 2.5gの1000倍 → 2,500g(2.5L)の水で希釈
作り方のコツ
クエン酸はそのまま水に溶けにくいので、 一度お湯で溶かしてから、水と合わせる とスムーズ。
舐めてみると ほんの少しだけ酸味 を感じる程度の濃度になります。
瓶に詰めて、クエン酸液を注ぐ
たけのこを瓶に詰め、その上から 薄めたクエン酸液を瓶の縁いっぱいまで 注ぎます。
たけのこの内部に空気が残るので、瓶を 押さえて軽く振る と、ちょっとでもマシになります。
クエン酸添加は賛否両論
クエン酸添加って、結構賛否両論あります。
- 加工屋さんの多くは、たけのこの発酵だけでpH調整を行っている 場合が多い
- 食品業界は 添加物を嫌う風潮 がある
家庭で安全側に倒すなら添加もアリ、 発酵だけで完結させたい派 はクエン酸なしも選択肢、という感じです。
⑥ 脱気|95℃で20分
蓋を 開けたまま 瓶を鍋に並べます。
鍋の選び方
- 瓶の縁ぎりぎりまで水が入る大きさ の鍋がベスト
- 大きな瓶を使うときは、それなりに大きな鍋が必要
沸騰時の注意
沸騰すると下からグラグラと振動して、瓶同士が当たって割れることがあるので、 布などを鍋底に敷く のがおすすめ。
脱気の手順
- 瓶の中になみなみとクエン酸液を注ぐ
- 鍋にも水を 瓶の縁ぎりぎり まで張る
- 蓋は 開けたまま 火にかける
- 中の温度が 95℃ぐらいになって20分 加熱
脱気の意味(少し詳しく)
ネット情報と少し違うかもしれませんが、私の理解では:
- 温まることで クエン酸液がたけのこの中に浸透
- 同時に たけのこの細かい部分から空気が抜けていく
たけのこの表面から 気泡が出てくる のが見えます。
注意点は、 瓶が倒れて中に鍋の水が入らないようにする こと。多少入っても大丈夫なので、難しい作業ではありません。
⑦ 殺菌|熱々の状態で蓋をして1時間半
脱気が終わったら、最後の 殺菌工程 です。
仕上げ前にpH確認&クエン酸補充
- 表面の 滓っぽい部分を取り除く
- リトマス試験紙でpHをチェック
- 残しておいた クエン酸液を熱々に温めて、瓶になみなみ注ぐ
蓋を全力で締める
- めちゃくちゃ熱いので 手袋必須
- どうしても空気は少し入るが、仕方ない
- 全力で思いっきり締める
1時間半、強火で殺菌
蓋をした瓶を、もう一度鍋の水に浸して 強火で1時間半。これで殺菌完了。
火を止めて自然冷却
火を止めたら 自然に冷ましていく。
熱々の瓶は 衝撃でガラスが割れる ので、そっと冷却します。
これで完成。
注意点|家庭加工は失敗もあります
失敗のリスクを必ず理解する
今回の方法はあくまで 家庭での加工 なので:
- 失敗もあるし、ムラもできる
- 殺菌しきれずに腐敗
- 腐敗した時に出るガスで 瓶が割れる危険性 もある
⚠️ 必ず注意して、自己責任で行ってください。
大切なのは「各工程の意味を理解する」
「なんとなくこの手順」ではなく、 「なぜこの工程が必要なのか」 を理解しているかどうかで、失敗時の対応も、改善のヒントも変わってきます。
pH調整がいちばん難しい
今回リトマス試験紙でpHを測りましたが、 pH調整がおそらく一番難しい部分。
ネットで調べてもpH調整の情報はなかなか出てきませんが、 ちゃんと調べると色んなところに情報があります ので、気になる方は詳しく調べてみてください。
成功のサイン|蓋の中心が凹む
完成した瓶を見ると、 蓋の中心が結構凹んでいる はずです。
これは 空気が遮断できている=脱気・密封が成功している サインなので、一応OKと判断できます。
簡易版もアリ|目的に応じて使い分け
比較的すぐ食べる場合
pH調整などはそんなに気にしないで大丈夫だと思います。今回はあくまで 「保存」 に焦点を当てた方法です。
別バージョン|発酵だけでクエン酸なし
この動画では乳酸発酵後に ぬめりを取ってクエン酸を添加 しましたが:
- そのまま 自然発酵だけ で
- 濁った水を瓶に詰めて殺菌する 方法
…もあります。クエン酸添加なしで自然発酵にこだわる場合の選択肢です。
何を優先するかで工程の重要度が変わる
- 保存性優先 → pH調整+殺菌をしっかり
- 味優先 → アク抜き・皮の扱いを丁寧に
それぞれ目的に応じて 試行錯誤しながら 作ってみてください。
まとめ|たけのこ瓶詰めの全工程
| 工程 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| ① アク抜き | 1.5時間茹で → 3時間放置 | お湯が冷める時にアクが抜ける |
| ② 皮むき | 茹でてから剥く | 圧倒的にラク |
| ③ 水さらし | ちょろちょろ流水で3時間 | 節水でOK |
| ④ pH調整 | 室温で1日、乳酸発酵 | 下げすぎ注意 |
| ⑤ クエン酸添加 | 1000倍希釈、瓶に注ぐ | 安全側に倒す保険 |
| ⑥ 脱気 | 蓋開けて95℃ 20分 | 中の空気を抜く |
| ⑦ 殺菌 | 蓋して強火 1.5時間 | 全力で締める |
家庭で長期保存できるたけのこ。 大切なのは各工程の意味を理解すること。
完成した瓶の蓋の中心が凹んでいたら、ひとまず成功です。
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