竹林にケイカル(ケイ酸カルシウム)|竹を強くする効果・施用量・肥料との優先順位【動画あり】

たけのこ栽培

こんにちは、バンくんです。

今日は、 竹林にめちゃくちゃいい資材 をご紹介します。

それが ケイカル(ケイ酸カルシウム)

「ケイカル?」と思った方も多いかもしれませんが、 本気で竹・たけのこを栽培しているなら、絶対に投入してほしい資材 です。

📺 動画はこちらです。あわせてどうぞ。

ケイカルが竹に最高な理由を解説する動画(YouTube)

ケイカルとは|ケイ酸カルシウム肥料

JAなどで売っているケイカルの袋を見ると、こんな感じの保証成分が書かれています。

成分含有量
可溶性ケイ酸(SiO₂)約28%
アルカリ分約44%
苦土(マグネシウム)約3.5%

主成分は ケイ酸+アルカリ分(カルシウム)+苦土

商品概要

  • JAなどで20kg袋 が一般的
  • 粒は意外と重く、ずっしりした感触
  • 匂いが独特 で、ちょっと臭い

散布方法

私は 背負い式の散布機にケイカルを40kg入れて担いで 、竹林に散布しています。重労働ですが、これを毎年やる価値があります。

ケイ酸(Si)とは何か

ケイ酸の主成分 「ケイ素(Si)」 は、化学で習った 元素記号の SI で、 ガラスや水晶の主成分 にもなっている物質です。

このケイ素が 酸素や水素と結びついた化合物 が「ケイ酸」。

竹は植物界トップクラスのケイ素含有量

実は、 竹は植物の中でトップクラスにケイ素を含んでいる植物

つまり、 それだけ竹にはケイ素が必要 ということです。

特にどこにケイ素が多い?

  • 葉っぱ
  • たけのこの皮

…にケイ素が大量に含まれています。

たけのこ収穫=竹林からケイ素が出ていく

たけのこを収穫して外に持ち出す(販売・食用)と、 皮に含まれるケイ素も一緒に持ち出している ことになります。

竹林の中からケイ素がどんどん減っていく

葉っぱは下に落ちて分解されてケイ素が土に戻りますが、たけのこの皮や材を持ち出す分は完全に減ります。

そしてケイ素は 元素単位で植物が作り出すことができない ので、 毎年大量にたけのこを収穫している人ほど、ケイカルを補給する必要がある わけです。

ケイ酸の3つの働き

① 物理的バリア|「ガラスの鎧」で病害虫を防ぐ

竹は土の中のケイ素を吸い上げて、 細胞の表面に蓄積し、シリカ層(珪化細胞)というガラスの鎧 を作ります。

このバリアによって:

  • 病原菌が表面に取り付けない
  • 害虫の口器が刺さらない
  • 菌糸が硬いガラス層に跳ね返されて中に入れない

虫や病気に強い、健康な竹林を維持できる

これがケイカルの 最大のメリット です。

② 構造強化|雪・台風に強く、しなやかに

たけのこから竹に成長する時、 細胞壁にリグニンが集まって木質化 します。

この時、 ケイ酸はコンクリートの役割 を果たして木質化を補強します。

ケイ酸が十分な竹は:

  • 細胞壁がギュッと 緻密 になる
  • 雪の重みや台風の暴風でもポキッと折れにくい
  • しなやかに受け流す弾力 が生まれる

材としての価値もぐんと上がります。

③ 光合成効率アップ|葉が直立して日光を取り込む

意外と知られていない効果がこれ。

ケイ素が足りている竹は:

  • 葉っぱがピシッと直立
  • 葉が垂れ下がらないので、 竹林の奥まで日光が差し込む
  • 竹林全体の光合成エネルギー生産量がアップ

→ 結果として、 立派なたけのこ生産にもつながる

アルカリ分(カルシウム)の効果|土壌pH対策

ケイカルにはケイ酸だけでなく アルカリ分(カルシウム) も含まれます。

竹林は酸性に偏りがち

長年竹のこ栽培を続けてきた竹林は、ほとんどが 酸性に偏って います。

  • 化成肥料・酸性雨の影響でpHはどんどん下がる
  • 土壌分析すると pH 3台 という竹林もあるほど

竹は弱酸性(pH 5〜6.5)を好む

うちの竹林も pH 4台 でかなり酸性。こうなると:

  • 土の中の アルミ・鉄が悪さを始める
  • 養分の吸収効率が落ちる

そこで アルカリ分でpHを少し上げてあげる と、土壌環境がぐっと改善します。

ケイカル= 「ケイ酸(竹に必須)+アルカリ分(土壌pH改善)」 のダブル効果。

これが竹林にとって超いい資材になる理由です。

施用量|10aあたり200kgが理想、現実は輪番で

理想は「10aあたり200kg」

ただし、これが かなりしんどい

バッシャバッシャと大量に振ることになるので、重労働です。

バンくんの実例|30a(3反)の竹林の場合

理想だと600kgも振らないといけません。現実的に厳しい ので、こんな感じで使い分けています。

今年(集中施肥した区画)

  • 30a に約520kg施用(10aあたり約170kg)
  • ケイカル400kg + 去年6月に有機石灰120kg

別の30a(薄めの区画)

  • 30a に約160kg施用(10aあたり約50kg)
  • こちらにも去年6月に有機石灰

4〜5年で輪番施用するイメージ

竹林全体を 4〜5年かけて1周 するように、毎年エリアを変えて集中施肥。

集中施肥エリア全体への薄め施肥
今年エリアA:30a(510kg)全体に10a 50kg
来年エリアB:30a(510kg)全体に10a 50kg
再来年エリアC:50a(850kg)全体に10a 50kg

集中施肥した場所の成績が良ければ、周期を短くする予定。

土壌分析もちゃんとやっていきますが、 結構な量を入れてもpHはなかなか上がらない 印象です。

ケイカルと肥料の優先順位|まずは肥料から

ここがいちばん大事なポイント。

肥料の方が圧倒的にコスパが良い

  • 10aあたり、窒素成分16%の肥料を100kg程度まで は、肥料の方がコスパ・タイパともに高い
  • それ以上肥料をやっている人にケイカルがおすすめ

年間100kg以下しか肥料をやっていない人

ケイカルよりも、 まず肥料を増やす方が収量アップに直結 します。

まずは肥料、それからケイカル

ケイカルは 「肥料の効きを助ける」 イメージで施用するもの。

  • 収量を増やしたい → まず肥料
  • 品質を高めたい・竹を健康にしたい・肥料の効率を上げたい → ケイカル

用途別おすすめパターン

目的肥料ケイカル
たけのこ収量アップ★★★★★★★
品質アップ・健康な竹林★★★★★★★★
台風・雪害に強く★★★★★★★
竹材(孟宗竹の建材など)★★★★★★★

たけのこ栽培ではなく 竹材 を追求している方は、 肥料は薄めにして、ケイカルを十分に与える のもアリです。

施用時期|いつでもOK(雨で流れにくい)

理想を言えば 5月頃 ですが、ケイカルは雨で流出しにくいので 正直いつでもOK

肥料は空気中に散ったり雨で流れたりするので「効かせたい時期」に施用しますが、 ケイカルはそこまでシビアじゃない イメージです。

物理的な施用タイミングの工夫

私はちょうど今の時期(春〜初夏)に施用しています。理由は:

  • ケイカルを振った上を歩いても、 土に混ざりやすい
  • たけのこを掘った土で 自然に攪拌される
  • 物理的に土と馴染ませやすいタイミング

ケイカルは米にも使われている

竹は イネ科 なので、お米でもケイカルが使われています。

サーモグラフィで実証された効果

  • ケイカル施用区と未施用区で 稲の温度を比較
  • 明らかにケイカル区の方が温度が低い =高温に強い
  • 乾燥にも強い =植物体の温度が上がりすぎない

竹もイネ科なので、 間違いなく同じ効果が出る はずです。

なぜチェーンソーで竹の刃が傷むのか?

少し余談ですが、 チェーンソーで竹を切ると刃の傷みがすごく早い

これは、 竹の表面がガラス的な硬さ(シリカ層)を持っている から。

  • 表面はカチカチに硬い
  • 切り抜けると、中は意外と柔らかくザクザク切れる

→ 表面のケイ酸の硬さがチェーンソーの刃を削っていく、というわけです。

これも「竹はケイ酸が大事」という証拠のひとつ。

まとめ|本気で竹をやるならケイカルは入れて

  • ケイカル=ケイ酸カルシウム肥料(成分:ケイ酸28% + アルカリ分44% + 苦土3.5%)
  • 竹は 植物界トップクラスのケイ素含有量 = ケイ素が必須
  • 効果:①病害虫バリア ②構造強化 ③光合成効率UP
  • アルカリ分で 酸性に偏った竹林の土壌pH改善 にも効く
  • 理想は 10aあたり200kg、現実は4〜5年輪番で集中+全体薄めの併用
  • まず肥料、それからケイカル(肥料の方がコスパ良い)
  • 年間肥料 100kg以下なら肥料を優先、それ以上ならケイカルがおすすめ
  • 施用時期は いつでもOK、雨で流れにくい
  • 竹材を追求するなら肥料薄め+ケイカル多め もアリ

ケイカルはめちゃくちゃ重たくて、散布作業はしんどいです。

でも、 本気で竹・たけのこを長く続けたいなら、絶対に取り入れてほしい資材 です。

ケイカル振ってらっしゃい!


📺 動画版もよろしく:ケイカルが竹に最高な理由を解説する動画(YouTube)

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