こんにちは、バンくんです。
「放置竹林、もう手に負えない…全部切ってしまえばいいのでは?」
放置竹林に困っている方からよく聞く話です。
たしかに、 皆伐(かいばつ=全部伐採) で一気にスッキリさせれば、長年の悩みから解放される気がします。
でも、 18年たけのこ・竹林を見てきた私の結論は、「皆伐は安易にやらない方がいい」 です。
理由を、徳島県阿南市で実際にいくつもの皆伐後の山を見てきた経験から、正直にお伝えします。
結論|皆伐は明確な目的とビジョンがある時だけ
最初に結論を。
皆伐をするなら、「広葉樹林にする」「畑にする」など明確な目的とビジョンが必要。
「とりあえず切ればなんとかなる」という発想で安易にやると、 費用だけがかかって状況がより悪化する可能性 があります。
なぜそう言えるのか、順番に解説します。
徳島県阿南市は全国的にも竹林が多い地域
私の地元・徳島県阿南市は、 全国的に見ても竹林が非常に多い地域。
地域を回っていると、 皆伐された山も何ヶ所か 見てきました。
「皆伐したらどうなるか」を リアルに観察できる立場 にいるからこそ、はっきり言えます。
皆伐は、思ってるほど楽な解決策ではありません。
① そもそも「手間がかけられない」から放置になっている
放置竹林になる理由のほとんどは:
手間をかけられないから、放置されている
つまり、 管理する人手・時間・お金がない ということ。
ここで皆伐をしても、 その後の管理にも結局手間がかかる わけで、 手間をかけられない人が皆伐後の管理だけはできる、ということはあまりない のが現実です。
② 皆伐しても「再生竹」が出てくる
皆伐の最大の落とし穴がこれ。
再生竹って何?
竹を全部切っても、 地下茎は地中にしっかり残っています。
そこから、 しばらくの間、小さな竹(再生竹) がどんどん生えてきます。
何年か刈り取らないと地下茎は根絶できない
再生竹を何年か刈り取り続けないと、竹の地下茎は完全に死にません。
具体的には:
- 数年間、生えてくる再生竹を毎年刈り続ける
- これを怠ると、すぐに 竹林に逆戻り
- 切り続けないと、再生竹がまた立派な竹になる
雑草の中から再生竹が生えてくると本当に厄介
再生竹は 雑草に紛れて生えてくる ことが多く、これが本当に厄介。
- 雑草と区別がつきにくい
- 見落とすと一気に成長して取り返しがつかない
- 本当に根気がいる作業
③ 枯らした後、植生が変わって雑草地獄
皆伐して再生竹も完全に殺せたとして、 その後どうなるか。
まずは雑草だらけになる
竹がなくなった山は、 何もない状態 → ひたすら雑草が生え放題。
夏になれば腰の高さまで草が伸びて、 見た目もボサボサ。
その後、自生樹木が茂って森に
雑草地獄の次は、 自生している樹木がどんどん茂ってくる。
- 数年で 小さな雑木が育ち
- やがて 森のような状態 になる
- これも 傍目には「荒れた場所」と映る
「皆伐したらスッキリ綺麗な里山になる」というイメージは、 現実とは違う のです。
④ 「綺麗な里山」を作るのは竹林管理より手間がかかるかも
ここが一番のポイント。
人が想像する「綺麗な里山」
頭の中で描いている「綺麗な里山」は、こんな感じではないでしょうか:
- クヌギやコナラの雑木林
- 下草が適度に刈られて見通しがいい
- 散策できそうな空間
- 季節を感じられる広葉樹
でも、それを作るには大量の手間
この「綺麗な雑木林」を作るには:
- クヌギ・コナラなどの苗木を植える
- 大きくなるまで何年も草刈り を続ける
- 不要な雑草・雑木を計画的に除去
- 植えた苗木の成長を見守って管理
これ、 計画的・継続的な管理がずっと必要 です。
結局、楽な竹林管理と変わらない(むしろ大変かも)
別記事でも書きましたが、 「枯れた竹だけ切る」省力管理 で竹林を維持する方法があります。
→ とにかく楽に竹林を管理したい方へ|「枯れた竹だけ切る」省力管理術
これと比較すると:
| 方針 | 必要な手間 |
|---|---|
| 楽な竹林管理(年1回 枯竹だけ切る) | 涼しい時期に数回/年 |
| 皆伐 → 雑木林化 | 数年間の再生竹刈り取り+苗木植え+数年〜十数年の継続草刈り |
手間がかけられないから放置になった人が、本当に綺麗な雑木林を維持し続けられるのか?
冷静に考える必要があります。
⑤ 安易な皆伐は「費用だけかかって何も残らない」リスク
皆伐には費用がかかります:
- 業者に依頼すれば数十万〜数百万円
- 自分でやっても、機材・燃料・処分費
- その後の再生竹刈り取り・植林・草刈り も継続コスト
それだけかけて、 数年後に再び荒れた山になる という可能性も十分あります。
皆伐をすべきケース
否定ばかりしていますが、 皆伐が適切なケース もあります。
明確な目的があるとき
- 広葉樹林に作り変えたい(明確なビジョンと予算)
- 畑として使いたい(耕作の意思と労力)
- 太陽光発電など別用途(具体的計画)
- 境界整備で必要な範囲だけ
継続的な管理体制がある
- 皆伐後の 数年間の再生竹刈り取りを続けられる
- 苗木の植林〜成育管理ができる
- 家族や仲間と 共同で管理できる体制
これらが揃っているなら、皆伐は意義のある選択になります。
バンくんからの提案|まず「楽な維持」を考える
私が「皆伐より先に検討してほしい」と思うのは、 「楽な維持管理」 です。
年1回・枯竹だけ切る省力管理
- 涼しい時期(10〜11月) に
- 枯れた竹だけ を切って片付ける
- 5月に大きくなった邪魔なたけのこ を切り倒す
- 暗さを維持 して雑木・雑草の侵入を防ぐ
これだけで、 放置竹林にはならず、最低限の手間で維持できます。
→ 詳しくは:とにかく楽に竹林を管理したい方へ
この維持で「ダメな理由」を冷静に考える
「いや、それすらできない」という方は、 皆伐後の管理もまずできません。
その場合の選択肢は:
- 親族・知人に管理を頼む
- 自治体の 竹林整備支援 を相談
- 管理委託 を業者に依頼
- 売却・無償譲渡 を検討
…のいずれかになります。
まとめ|皆伐は安易にしないで
- 皆伐は明確な目的・ビジョンがある時だけ
- 手間がかけられない人が 皆伐後の管理だけはできる、というのは現実的でない
- 再生竹の刈り取りが数年必要
- 雑草地獄 → 自生樹木が茂る → 結局「荒れた場所」に見える
- 「綺麗な雑木林」を作るには 苗木植え+数年〜十数年の継続管理
- 結果的に 楽な竹林管理よりも手間がかかる可能性大
- 安易な皆伐は費用だけかかって状況悪化のリスク
- まずは 「楽な竹林管理」で維持 を検討してほしい
放置竹林、本当に困りますよね。
でも、 「全部切る」が一番の解決策とは限らない のが竹の難しさ。
冷静に 「自分が継続できる範囲は何か」 を考えてから、行動を決めることをおすすめします。
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